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終わりから始まるファンタジー『葬送のフリーレン』

  • 執筆者の写真: bookman null
    bookman null
  • 1月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月25日

静かに胸を打つ物語が、ここにある。


『葬送のフリーレン』は、剣と魔法の冒険譚でありながら、「魔王を倒したその後」から始まる、極めて異色のファンタジー作品。

機会があれば魔王倒してみたい。



勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、そして魔法使いフリーレン。彼らは10年にわたる冒険の末、世界を救った。


しかし物語は、凱旋の祝宴でも新たな戦いでもなく、仲間の“死”と“別れ”から静かに幕を開ける。エルフであるフリーレンにとって、人間の10年はあまりにも短い。


彼女はその重みを理解しないまま、仲間たちと別れ、そして再会できない現実に直面する。


この作品の最大の魅力は、「時間」の描き方だ。派手なバトルや劇的な展開は控えめで、その代わりに積み重ねられるのは、何気ない会話、些細な思い出、そして取り返しのつかない後悔。

ささやかな望みとしては時間の使い方誰か教えほしい。


フリーレンは仲間を失って初めて、「もっと彼らを知ろうとしなかった」自分に気づく。その気づきが、彼女を再び旅へと向かわせる。


旅の途中で出会う弟子フェルンや戦士シュタルクとの関係性も、本作を観る上で欠かせない要素だ。


フリーレンは彼らと過ごす日々の中で、少しずつ人間を理解し、感情を言葉にし、過去と向き合っていく。その成長は決して大きな事件として描かれない。しかし、ふとした表情や沈黙の間に、確かな変化が宿っている。


アニメーションの美しさも特筆すべき点だ。静かな風景、夕暮れの空、雪の降る街並み――どれもが物語の余白を雄弁に語る。


音楽もまた控えめでありながら、感情の奥深くにそっと触れてくる。観ているうちに、こちらの時間の流れまで緩やかになっていく感覚を覚えるだろう。


『葬送のフリーレン』は、「喪失」や「後悔」という普遍的なテーマを、優しさと静けさと心地よさと温かさで包み込む作品だ。


大切な人と過ごす時間の尊さを、決して説教くさくなく、ただ物語として伝えてくる。派手さを求める人には物足りないかもしれない。


しかし、日常に少し疲れたとき、心を整えたいとき、ヨガをしたくなるとき、この作品はきっと深く染み込んでくる。


観終わったあと、あなたはきっと誰かの顔を思い浮かべる。そして、「今この時間」を、少しだけ大切にしようと思える、、、はずだ。


それこそが、『葬送のフリーレン』が多くの人の心を掴んで離さない理由なのである。

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