【警告】読むと「絶」が解けなくなる?『HUNTER×HUNTER』という名の底なし沼へようこそ
- bookman null
- 1月23日
- 読了時間: 6分
更新日:5 日前
おめでとうございます。
この記事に辿り着いたあなたは、今まさに人生で最も「有意義かつ絶望的な」決断を下そうとしています。
その決断とは、『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』を読み始めるかどうか。
もしあなたが「仕事や勉強に集中したい」「規則正しい生活を送りたい」「作者の腰の具合を心配して夜も眠れない生活は嫌だ」と願うなら、今すぐブラウザを閉じてください。
しかし、もしあなたが「脳がちぎれるほどの知略戦に溺れたい」「少年漫画の枠を超えた狂気を見たい」と願うなら、このまま読み進めてください。
これから、なぜこの漫画が「ジャンプ界の聖域」と呼ばれ、休載期間すらも伝説になるのか、その魅力を「凝」を凝らして解説します。
1. 導入:それは「ピュアな皮を被った怪物」である
物語の始まりは、非常に王道です。
「くじら島」というのどかな島に住む少年、ゴン=フリークスが、死んだと聞かされていた父・ジンが実は生きており、世界で最も過酷な職業「ハンター」であることを知ります。
「親父が夢中になってる仕事、僕もやってみたい!」と、釣り竿一本担いで島を飛び出す……。
ここまでは、日曜の朝に家族で観られるアニメの導入です。しかし、騙されてはいけません。
読み進めていくうちに、読者は気づくはずです。**
「あれ?この主人公、たまに目がビー玉みたいに無機質になるな?」とか、「試験の合格率が低すぎて、運営側のコンプライアンスどうなってんの?」**とか。
この漫画は、友情・努力・勝利というジャンプの三原則を、**「狂気・合理性・圧倒的絶望」**というスパイスで煮込んだ、劇薬のような作品なのです。
2. キャラクターたちの「癖(ヘキ)」が強すぎる問題

『HUNTER×HUNTER』を語る上で外せないのが、あまりに個性的すぎるキャラクターたちです。
ゴン=フリークス:
主人公。とにかく真っ直ぐ。しかしその真っ直ぐさは、時に周囲を恐怖させるほどの「純粋な狂気」を孕んでいます。彼にとっての善悪の基準は「自分が納得するかどうか」。究極の「強化系」男子です。
キルア=ゾルディック:
全読者の初恋を奪う、銀髪の暗殺エリート。実家が「観光名所になるレベルの暗殺一家」という、履歴書に書けない経歴の持ち主。
ゴンとの友情に悩み、もがき、時にデレる姿は、もはや聖母(あるいはヒロイン)。
クラピカ:
滅亡した「クルタ族」の生き残り。知性的で端正な顔立ちをしていますが、復讐のことになるとすぐ目が赤くなります(緋の眼)。
彼の説明台詞の長さは、時に1ページがほぼ小説。読み終わる頃には、あなたの読解力は偏差値10上がっているでしょう。
レオリオ:
「金のためにハンターになる!」と言い切る、この漫画で唯一「まともな感覚」を持つ男。
彼が登場すると、読者は実家に帰ったような安心感を覚えます。
そして、忘れてはならないのがヒソカ=モロウ。
トランプを武器にする変態(天才奇術師)。
強いやつと戦って、絶頂したい。ゴンたちの成長を「実るのが楽しみだね……♥」と見守るその姿は、不審者と師匠の境界線を全力で反復横跳びしています。
3. 伝説の序盤!これだけは見逃せない「激アツ名シーン」3選
未読の方のために、まずはここを目標に読んでほしいというポイントを絞りました。
① ハンター試験:ヒソカからの略奪という「無理ゲー」
4次試験、舞台は無人島。ゴンに課せられたミッションは「最強の殺人鬼・ヒソカのゼッケンを奪うこと」。
普通なら逃げ出す場面ですが、ゴンは数日間、気配を消してヒソカをストーキングします。
そして、ヒソカが別の獲物を襲う**「攻撃の瞬間(最も殺気が高まり、隙ができる瞬間)」**に、釣り竿を振る!
このシーンの緊張感は異常です。しかし、奪った後のヒソカの対応がさらに異常。
「今の君を殺すのは惜しい……」と、ゼッケンを無理やり押し付けられる屈辱。ここでゴンは「本当の強さ」の壁を知るのです。
② ゾルディック家編:筋トレが解決する少年漫画
暗殺一家に連れ戻されたキルアを救うため、ゴンたちは彼の屋敷へ向かいます。そこで立ちふさがるのは、巨大な「試しの門」。
魔獣が出てくるわけでも、魔法を使うわけでもありません。ただただ**「重い」**。
門を1枚開けるのに4トン。このハードルを越えるために、主人公たちがひたすら「筋トレ」をする。
この「超人的な世界なのに、突破口が地道なフィジカル」というバランスが、冨樫先生の天才的なリアリズムです。
③ クラピカの「緋の眼」:復讐者の覚醒
試験の最中、クラピカは偽の「クモの刺青(幻影旅団の証)」を見せられます。
その瞬間、彼の瞳は鮮やかな緋色に変わり、圧倒的な武力で敵を粉砕。
「二度と旅団の名を口にするな」
この冷徹なまでの怒り。読者はここで確信します。
「あ、この漫画、中盤からとんでもなくエグい展開(ヨークシン編)が待ってるな」と。
4. 脳が溶ける?「念(ねん)」という究極のシステム
この漫画を語る上で「念」を無視することはできません。
体から溢れる生命エネルギー(オーラ)を操る技術。これを習得してから、物語のIQは爆上がりします。
強化系: 殴る!強い!以上!
変化系: オーラの性質を変える(電気とかガムとか)。
具現化系: オーラを物質化する(鎖とか掃除機とか)。
……といった基本に加え、**「制約と誓約」**というルールが登場します。
「自分の命を懸ける代わりに、特定の相手にしか使えない最強の能力を手に入れる」といった、リスクとリターンの駆け引き。
これが導入されることで、格上の相手でも「条件次第で勝てる」という、史上最も面白いパズル的バトルが成立したのです。
ただし、副作用があります。最新話に近づくにつれ、能力の説明文が「六法全書」くらい難解になります。
読者は、漫画を読んでいるはずが、気づけば哲学書か戦略論を読み解いているような気分に陥ります。
5. 結論:『HUNTER×HUNTER』は「人生の修行」である
最後に、この作品の最大の特徴について触れなければなりません。それは**「休載」**です。
ファンは、最新話が掲載されるたびに「冨樫先生がペンを持ったぞ!」とお祭り騒ぎになり、数話載った後に再び休載に入ると「ゆっくり静養してください(あ、でも早めに戻ってきて)」と祈りを捧げます。
私たちは、ゴンが父親に会うまでの旅を見守っているだけではありません。
冨樫義博という天才が、自らの魂(と腰の健康)を削って生み出す物語を、同じ時代に目撃するという「修行」を共にしているのです。
「キメラ=アント編」での絶望と、その先にある涙。
「選挙編」での思わぬ再会。
そして、現在進行形の「王位継承戦」という、登場人物が多すぎて家系図を作らないと理解できないカオス。
おわりに
さあ、ここまで読んだあなたは、すでに「発」の準備ができているはずです。
まずは1巻を手に取ってみてください。気がつけば、あなたは「水見式」で自分の系統を調べ、誰かに「オレでなきゃ見逃しちゃうね」と言いたくてたまらなくなっているでしょう。
人生に一度、この「知の迷宮」に迷い込んでみませんか?



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